- 器と味
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2018.01.15 Monday
写真:藤村拓太作蓋付き皿椀(当店では蚊遣り器としてコレクション)
写真:立杭焼き物まつりで見染めた器逹とおかず
今回は器によって味も変わるというお話。
例えばお茶。
茶葉により器を変えるのは普通ですが、家で独りで飲むお茶はなんのお茶でも愛用のマグカップでいいや...と思ったことはありませんか?
夫婦でお気に入りのマグカップはここ数年、陶芸家藤村拓太さん作のマルチに使える『何を容れても美味しく飲める』マグカップでした。そんなネーミングではなかったですよ。もちろん(笑)
素朴なぬくもりを感じる大きなスープカップです。拓太さんは当店自慢の夏の風物詩、風情豊かなオリジナル蚊遣り器の作者です。
しかし、この年末に妻と道具屋筋に買い出しに行ったところ、シンプルなデザインのいつものよりひとまわり小振りの磁器マグカップを見つけ、割れても惜しくない価格にもツラレテ年明けからコーヒーをこれで飲もう!と連れて帰りました。
妻は拓太さんのカップを独り占め出来るのでご機嫌で、気のせいか以前よりも豆にお茶を淹れてくれるようになった...なんて書いたらきっと怒るかな(笑)
ところがお題の器と味覚についてしみじみ痛感したのはその妻でした。
コーヒー、ハーブティー、薬膳茶が主流の我が家もお正月や和菓子があるときなどは美味しい緑茶を頂こう!となります。
その晩も深蒸しの美味しい緑茶をいれて自分には緑茶用の湯呑みに、私にはその白いマグカップに注いだそうです。
そしたらどちらにも容れすぎたのでこっそり飲んじゃえと分量調整したそうです。図らずも比較試飲に(笑)
その瞬間、こんなにも味も香りも違うなんて改めてびっくりした〜と声をあげ、湯飲みの方を私にくれました。
ワインほどではないかもしれないけれど 器によって味が変わる ということは常識だよ と冷静に応えつつ
確かに器は味覚に大きく影響するよなぁ〜と少し前、同じような事に想いを馳せていたことを思い出していました。
先日 丹波焼き物祭り で 購入した器が大変気に入り盛り付けただけで なんだか腕が上がった...ような気がして
失敗しても この器に盛れば なんとかなるんじゃないだろうかと チラリと思ったのです。もちろん実際に失敗作で試したことは無いですよ(笑)
ワイングラスと違い 空気の入る量がどうのこうのとか というのはお皿にはないだろうと思うし使っている土の違いでということもないだろうし...?あるのかな?
気のせいか。思い込みか?むむむ。。。
気に入った家に住めば心も豊かになるし気合いも入る というように食材にとって器は 家や洋服みたいなものだから 選ぶのも 楽しい。
どんなものも美味しくしてくれる器との出会いもワクワクするし、専用だからこその相応しい器を知る新鮮な学びも感動します。
2017年の夏に 藤村拓太作陶家にオリジナルの蚊遣器&お香入れを作って頂いてお店で使っていたら
同じものを欲しいと仰るお客様が少なからず居られるので余分に焼いていただいて販売も しています。
器を変えただけで 蚊が どんどん落ちる。。。
ということはないですけれど 優雅な夏になりました。
ご来店の際は是非実物に触れてみてくださいね。
コムンチョバコラム3
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